
Claudeのプロジェクト機能は、ChatGPTのカスタムGPTに似た機能で、2024年6月にAnthropic社からリリースされました。
現在は最新モデル「Claude 3.7 Sonnet」(2025年2月リリース)で利用できます。
普通のClaude:何でも答えてくれる万能アシスタント
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プロジェクト:特定の用途に特化した専門アシスタント
例えば、以下のようなことができます。
- 「ブログ記事だけを書いてくれるライター」に特化
- 「うちの会社のルールに詳しいサポート係」を作成
- 「いつも丁寧語で答えてくれる秘書」に設定
この記事では「プロジェクト」の作り方を、Claudeや生成AIに詳しくない方にも、わかりやすく説明していきます。
作業を始める前に:準備を整えよう
まず最初に:Claudeにログインできる状態にしておく
- Claude.aiというサイトにアクセスします
- 「ログイン」または「アカウント作成」を済ませておきます
- 重要: プロジェクト機能を使うには有料版(Pro・Team・Workプラン)への登録が必要です(月額20ドル程度〜)
次に:何のためのプロジェクトを作るか決める
プロジェクトを作る前に、以下のことを紙に書き出してみましょう:
1. このプロジェクトで何をしたいですか?
- 例:「会社のブログ記事を書く手伝いをしてもらいたい」
- 例:「お客様からの質問に答える文章を作ってもらいたい」
- 例:「プログラミングのコードを書く手伝いをしてもらいたい」
2. Claudeにどんな知識を持ってもらいたいですか?
- 例:「うちの会社の商品情報」
- 例:「業界で使われる専門用語」
- 例:「過去に書いた記事のスタイル」
3. どんな話し方・文章で答えてほしいですか?
- 例:「いつも丁寧語で、優しい口調で」
- 例:「専門的だけど、初心者にもわかりやすく」
- 例:「簡潔に、要点だけを」
【ステップ1】新しいプロジェクトを作る
画面の見方と操作方法
- Claudeにログインすると、左側にメニューがあります
- その中に「+新規プロジェクト」というボタンがあります(見つからない場合は、左上の角を確認してください)
- このボタンをクリックします
プロジェクトに名前を付ける
- 「プロジェクト名を入力してください」という画面が出ます
- わかりやすい名前を付けましょう
名前の付け方のコツ:
- 「〇〇用アシスタント」のように、用途がわかる名前
- 例:「ブログ記事作成アシスタント」「顧客対応サポート係」
- 日本語で大丈夫です
- 後で変更もできるので、仮の名前でも構いません
- 名前を入力したら「作成」ボタンをクリック
- 組織向けプラン(Team/Work)の場合のみ: 可視性設定を選択します
- 「組織全体で共有」: 組織内の全員がプロジェクトを閲覧・使用可能
- 「プライベートに保持」: 招待したメンバーのみが閲覧・使用可能
これで、空のプロジェクトが作成されました!
【ステップ2】Claudeの性格・話し方を設定する
プロジェクトが作成されたら、次は「カスタム指示」を設定します。
カスタム指示とは、Claudeの「性格」や「話し方」を決める設定のことです。
カスタム指示の入力場所
- 作成したプロジェクト画面の右上に「プロジェクトの指示」というボタンがあります
- そこをクリックすると入力欄が開くので、文章を入力していきます
実際の書き方例
以下のような感じで書いていきます:
# あなたの役割について
あなたは、〇〇会社のマーケティング部門で働く、
ブログ記事専門のライターアシスタントです。
# 文章を書くときの約束事
1. いつも丁寧語(です・ます調)で書いてください
2. 難しい言葉を使うときは、( )内で説明を添えてください
3. 文章は読みやすく、段落分けをしっかりしてください
4. 具体的な例をなるべく含めて説明してください
# 避けてほしいこと
- 偉そうな言い方
- あまりにも長い文章
- 技術用語ばかりの説明
書き方のポイント
- 箇条書きを活用:見やすく、わかりやすくなります
- 具体的に指示:「優しく」より「丁寧語で」のように具体的に
- 例を示す:「〜のような」という表現で例を挙げる
- 完璧を目指さない:最初は簡単な指示から始めて、後で調整可能
【ステップ3】専門知識をアップロードする
Claudeに専門的な知識を持たせるため、資料をアップロードできます。最新の「Claude 3.7 Sonnet」モデルでは最大20万トークン(約15万文字・500ページ相当)の情報を一度に処理できるようになりました。
どんなファイルをアップロードできる?
以下のような種類のファイルが使えます:
- テキストファイル(.txtという拡張子のファイル)
- PDFファイル(いつも見るPDFと同じ)
- Word文書(.docxという拡張子のファイル)
- Excelのような表(CSVファイル)
- Markdownファイル(.mdという拡張子のファイル)
ファイルのアップロード手順
- プロジェクト画面の右上に「プロジェクトナレッジ」というセクションがあります
- 「ファイルを追加」というボタンをクリック
- パソコンの中からファイルを選ぶ画面が開きます
- アップロードしたいファイルを選択
- 「開く」または「選択」をクリック
- 自動的にアップロードが始まります
注意点
- 1つのファイルは最大20MBまで
- 個人情報や機密情報が含まれるファイルは避ける
- 日本語のファイル名でも大丈夫ですが、英数字の方が安定します
アップロードすると良いファイルの例
ブログ記事作成用の場合:
- 過去に書いた記事のテキストファイル
- 会社の商品説明資料
- ブログの文体ガイドライン
顧客対応用の場合:
- よくある質問(FAQ)の資料
- 商品の使用方法説明書
- 会社の基本情報
プログラミング支援用の場合:
- 過去に作ったプログラムコード
- 開発ルールをまとめた文書
- API仕様書
【ステップ4】実際に動かして確認する
設定が完了したら、ちゃんと動くか確認してみましょう。
テスト質問をしてみる
以下のような簡単な質問から始めてみましょう:
ブログ記事用プロジェクトの場合:
- 「◯◯について、500文字程度で記事を書いてください」
- 「先ほどアップロードした資料を参考に、商品の特徴を説明してください」
顧客対応用プロジェクトの場合:
- 「商品の返品方法を教えてください」
- 「◯◯の使い方がわからないというお客様への回答文を作ってください」
確認するポイント
- 話し方が想定通りか
設定した口調(丁寧語など)になっているか確認 - アップロードした知識が使われているか
ファイルの内容を参照した回答になっているか確認 - 役割を理解しているか
設定した「〇〇専門のアシスタント」として回答しているか確認
うまく動かない場合の調整方法
もし想定と違う回答が来たら、以下を試してみてください:
- カスタム指示をより具体的に修正
例:「優しく」→「『です・ます』調で、絵文字は使わずに」 - 質問の仕方を変える
例:「説明して」→「初心者でもわかるように、具体例を含めて説明して」 - 知識ファイルの内容を見直す
必要な情報が含まれているか確認
実際の使用例:こんなプロジェクトが作れます
1. 会社のブログ記事作成アシスタント
カスタム指示の例:
# 役割
あなたは、弊社のブログ専門ライターです。
# 記事を書くときのルール
1. SEO(検索エンジン対策)を意識した書き方をしてください
2. 読みやすさを最優先にしてください
3. 専門用語には必ず説明を付けてください
4. 見出しを使って、構造化された記事にしてください
# 文体
丁寧語(です・ます調)で、読者が親しみやすい口調
アップロードすると良いファイル:
- 過去のブログ記事
- 会社の商品・サービス資料
- SEOキーワードのリスト
- 文体ガイドライン
2. お客様対応サポート係
カスタム指示の例:
# 役割
あなたは、◯◯株式会社のカスタマーサポート担当者です。
# 対応方針
1. 常にお客様に寄り添う姿勢で回答してください
2. わかりやすく、丁寧な説明を心がけてください
3. 問題解決に向けて、具体的な手順を示してください
4. 最後には「他にご質問はありませんか?」と聞いてください
# 言葉遣い
敬語を基本とし、温かみのある表現を使ってください
アップロードすると良いファイル:
- FAQ(よくある質問)集
- 商品の取扱説明書
- 会社のポリシー・ルール
- 過去の問い合わせ対応例
3. プログラミング学習サポート
カスタム指示の例:
# 役割
あなたは、プログラミング初心者向けの優しい先生です。
# 教え方のルール
1. 専門用語は必ず日本語で説明してください
2. コードには必ずコメント(説明)を添えてください
3. 間違えやすいポイントは事前に伝えてください
4. 実際に動かせる完全なコード例を提供してください
# 文体
初心者に寄り添う、励ましの言葉も含めた優しい口調
アップロードすると良いファイル:
- 学習用のサンプルコード
- プログラミング用語集
- 開発環境の設定手順書
- エラー解決方法集
プロジェクトをうまく使うためのコツ
1. 段階的に改善していく
最初から完璧を目指さず、使いながら少しずつ改善していきましょう。
改善の手順:
- 簡単な設定でプロジェクトを作成
- 実際に使ってみる
- 気になる点をメモする
- カスタム指示やファイルを調整
- また使ってみる(繰り返し)
2. 定期的にメンテナンスする
プロジェクトは作って終わりではありません。
月1回程度のメンテナンス項目:
- カスタム指示が実際の使い方に合っているか確認
- 古くなった知識ファイルを更新
- 新しく必要になった情報をファイルで追加
- 不要になったファイルは削除
3. 複数の人で使う場合の工夫
チームでプロジェクトを共有する場合の注意点:
- プロジェクト名は、誰が見てもわかる名前に
- カスタム指示は、全員が理解できる表現で
- ファイルの名前と内容は整理整頓
- アップデートしたら、チームに共有
4. セキュリティへの配慮
大切な情報を守るための注意事項:
- 個人情報は絶対にアップロードしない
- 会社の機密情報は必要最小限に
- パスワードや暗証番号などは含めない
- プロジェクトへのアクセス権限を適切に設定
よく聞かれる質問に答えます
Q1. 無料版でもプロジェクトは使えますか?
A1. いいえ、プロジェクト機能はClaudeの有料版(Pro・Team・Workプラン)のみの機能です。月額約20ドルの料金が必要です。なお、無料版でも最新の「Claude 3.7 Sonnet」モデルは制限付きで利用できます。
Q2. 間違えてプロジェクトを削除してしまいました
A2. 残念ながら、削除したプロジェクトの復旧はできません。
大切なプロジェクトの場合は、以下の予防策をおすすめします:
- カスタム指示の内容をテキストファイルで保存
- アップロードしたファイルのバックアップ
- プロジェクトの設定画面のスクリーンショット
Q3. カスタム指示には文字数制限がありますか?
A3. はい、約1,000文字程度の制限があります。
長すぎる場合は、以下の工夫をしてみてください:
- 箇条書きでコンパクトにまとめる
- 重要な指示に絞り込む
- 詳細な情報は知識ファイルで補完
Q4. 他の人が作ったプロジェクトを見ることはできますか?
A4. いいえ、基本的には自分が作成したプロジェクトのみ表示されます。
ただし、組織向けのTeam/Workプランでは、プロジェクトの共有設定に応じてチームメンバーと共有可能です。
Q5. 英語の資料をアップロードしても大丈夫ですか?
A5. はい、英語の資料も問題ありません。
Claudeは以下の言語に対応しています:
- 日本語
- 英語
- その他主要言語
ただし、カスタム指示は日本語で書いた方が、日本語での回答が安定します。
Q6. Claudeの出力制限はどれくらいですか?
A6. Claude 3.7 Sonnetの出力制限は以下の通りです:
- 標準モード:最大8,000トークン
- 拡張思考モード(有料版のみ):最大64,000トークン(デフォルト)
- 拡張思考モードのベータ版:最大128,000トークン
長文の生成や複雑なコード作成では拡張思考モードが便利です。
まとめ:プロジェクト機能で効率アップ!
プロジェクト機能を使うことで、Claudeがあなた専用のアシスタントに変身します。
今日からできること:
- まずは簡単なプロジェクトを1つ作ってみる
- 実際に使いながら、少しずつ改善していく
- 慣れてきたら、用途別に複数のプロジェクトを作成
忘れないでほしいポイント:
- 完璧を目指さず、まずは始めてみる
- 使いながら改善していく
- 定期的にメンテナンスする
- セキュリティに気を付ける
プロジェクト機能を活用して、日々の業務を効率化していきましょう!
参考リンク
Claude公式ヘルプ(日本語)
基本的な使い方から詳しい操作方法まで
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