
現在、多くの企業でGoogleドキュメント、スプレッドシート、スライドなどのオンラインアプリが使用されていますが、現在これらのほとんどのアプリ内で、生成AI「Gemini」を使用できるようになっています。
使用するアプリによって付属しているGeminiの機能も異なりますが、スプレッドシートに付属しているGeminiではデータの処理やグラフ生成、データ分析などが可能です。
スプレッドシート版のGeminiでは「現在開いているシートのデータしか分析できない」仕様になっているため、複雑な分析はできないと思われがちですが、
ちょっとしたコツで、複数シートのデータを統合した分析も可能になります。
今回は、ある企業様向けに作成したレクチャー動画(4分31秒)と、その内容を文章化したものを共有したいと思います。
※お客様のご厚意で、一般公開の許可をいただいています
1. レクチャー動画(4分31秒:音声なし・字幕あり)
2. 動画の内容と解説(※追加情報あり)
上記の動画では、スプレッドの分析機能を使って、GA4とサーチコンソールデータの統合分析を進める様子をデモしながらポイントを解説しています。
今回のデモで使用したデータは下記の3つです。経験的に、データごとにシート分けしておいた方が、トラブルなく分析を進められることが多いようです。
- Looker Studioで加工したGA4データ:[セッションのデフォルトチャネルグループ]×[ランディングページ]のクロス分析用
- Looker Studioで加工したサーチコンソール(GSC)データ:[ページ]×[クエリ]のクロス分析用
- GASスクリプトで生成したページ情報リスト:全ページの title・meta description・h1・h2を記載(分析の付属資料として)
なお本記事の最後に、上記の動画で使用したプロンプト一覧を掲載していますので、ご参照ください。
スプレッドシート版 Gemini による複数データ分析の手順(※追加情報あり)
- 初めに「あなたは優秀なWebアナリストです」や「あなたは優秀なSEOコンサルタントです」などの役目をGeminiに伝える
- この定義づけによって、AI内でのモードチェンジのようなことが行われるらしい(Gemini自身による情報)
- 現在開いているシートのデータしか分析できないので、まずは1シートずつGeminiに読み込ませて、分析させる
- この時、必ず「事実と推測をわけて」「論理的かつシビアな視点で」レポートするように指示すること
- 分析を指示するときは、シートの内容を伝えてから指示すると、Geminiがスムーズに分析しやすくなる
プロンプト例:- 「このシートは、GA4から取得したデータです。このデータから流入元別・ランディングページ別での傾向を分析してください」
- 「このシートは、GSCから取得したデータです。このデータからクエリ別・ランディングページ別での傾向を分析してください」
- 「このシートは、弊社サイトのページ情報リストです。ランディングページ分析の参考資料として使ってください」
- すべてのデータシートの分析ができた時点で「ここまでの分析結果を統括した詳細なレポートを作成してください」と指示し、以後の総合分析の基盤を作る
- 一度読み込んだデータは Gemini内に残っているため、このような統合分析が可能になる
- ただし、画面を再読み込みするとデータがリセットされてしまうので注意
- あとは気になる点、疑問点、深掘りしたい点などをどんどん質問して、Geminiの分析精度を高めていく
- Geminiはスロースタータータイプの生成AIのため、初回分析はイマイチだが、インプットを増やしていくごとに分析の質が高くなる傾向がある
- 重点的に分析してほしいLPなどがあるときは、ページの本文をプロンプト欄に直接コピペして、コンテンツ情報を提供するのも有効
- プロンプト欄に施策案の内容をコピペして、データの傾向と方向性がズレていないかの判定を依頼することも可能。ただし、ここでも「事実と推測をわけて」「論理的かつシビアな視点で」判定してもらうように伝えること
- 目的の分析結果が一通り得られたら「ここまでの分析結果を統括した詳細なレポートを作成してください」と指示して、最終のレポートを作成してもらうと、コピペしやすくて便利
以上で分析完了となります。
最後に、今回のレクチャー動画で使ったプロンプト一覧を下記に載せておきますので、もしよろしければ参考にしてください。
動画で使用したプロンプト一覧
▼シート「GA4」にて
あなたはSEOにも詳しい、優秀なWebアナリストです。
このシートのデータを分析してください。
分析してほしい項目は、
・4月と5月での流入元とランディングページの比較
・比較項目は、セッション数や閲覧状況など
なお、分析結果は事実と推測にわけてレポートしてください。
▼シート「Page_list」にて
このシートは分析の補足資料として作った、ページのURL・
投稿日・タイトル・H1・H2を記載したリストです。
上記の分析結果とあわせて参照してください。
▼引き続き、シート「Page_list」にて
この内容と、上記のGA4分析レポートを総合して、
想定されるユーザー層なども含めた詳細な総合レポートを
事実と推測がわかる形で作成してください。
▼シート「GSC」にて
次にこのシートの分析をお願いします。
想定されるユーザー層・クエリ群ごとの傾向・人気ページなど
の4月と5月での違いを知りたいです。
▼引き続き、シート「GSC」にて
それでは、いままでの分析結果をまとめた
詳細な統合レポートと今後取るべき方針案も提案してください。
なおレポートは事実と推測が明確になるように書いてください。
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