
「本当にそれで、業務効率化・工数削減なんて出来るの?」
トップページで掲げた「レポート作成工数75%削減」や「月間ブログ投稿数10倍」などという数字を見て、そう思われたかもしれません。 プレゼンや営業トークだけが上手なコンサルタントも多いこの業界、その疑念はもっともです。
そこでこのページでは、私たちがどのようにしてその数値を実現したのか、具体的な業務プロセスのBefore/Afterと、その背景にある「人とAIの最適な役割分担」という思想の全てを、包み隠さず公開します。
1)GA4/GSC 定期レポート自動生成システムの検証
まず、弊社で最もご相談の多い「レポート地獄」を解決した事例です。
従来のレポート作成フロー(Before)
Web担当者時代の私、Webアナリスト時代の私のレポート作成フローです。
ご覧の皆さまも似たようなフローでレポートを作成されているのではないでしょうか。
全12ステップ、特に3度にわたる「データのコピペミスがないか」のチェック作業に、多くの時間と神経をすり減らしていた記憶があります。
- Step1GA4, GSCからスプレッドシートやCSVにデータをエクスポート
- Step2レポート整形用のシートにデータをコピペ
- Step3データのコピペミスがないかチェック
- Step4スプレッドシートやエクセルで、表を整形・結合
- Step5グラフ作成用のデータシート作成
- Step6スプレッドシートやエクセルでグラフを作成
- Step7Googleスライドやパワーポイントに作成した表とグラフを貼り付け
- Step8データシート・グラフのコピペミスがないか全数チェック
- Step9各ページの分析コメントを書く
- Step10各ページの分析コメントを総括した、分析まとめコメントを書く
- Step11分析結果に基づいた改善提案を作成する
- Step12レポートの最終チェック(データコピペミスの最終チェックと、分析・提案コメントの内容と誤字脱字チェック)
自動化後のレポート作成フロー(After)
次に、弊社が構築した「自動生成システム」導入後のフローです。人間の作業は、わずか3ステップに集約されました。
- Step1人間が、Pythonスクリプトの測定期間のみ書き換えて実行(30秒程度)
- Step2Pythonが、GA4, GSCからデータを自動取得
- Step3Pythonで表を自動整形・結合
- Step4Pythonでグラフ・表の画像を自動生成
- Step5Pythonに設定ずみのプロンプトで、生成AIのAPIに分析指示を送信
- Step6生成AIがAPIで分析・改善コメントをPythonに返信
- Step7PythonがGoogleスライド生成用のGASスクリプトを生成
- Step8人間が、GoogleスライドにGASスクリプトをコピペ・実行し、レポートを自動生成させる(30秒程度)
- Step9人間が、分析・提案コメントの体裁の調整とリライトをする
(小規模なもので1〜2時間、大規模なものでも半日程度)
作業時間を測定した結果、人間による作業時間は、
まず、Step1:30秒〜1分程度、Step8:30秒〜1分程度で、合計1〜2分程度。
これは多少ページ数や図表の数が増えても、大きく変わりませんでした。
次に、分析・提案コメントの体裁の調整とリライトですが、こちらは小規模なもので1〜2時間、大規模なものでも半日〜1日あれば十分だと思います。
検証結果
- 数ページの小規模なレポート:
作業時間が半日〜1日から1〜2時間に短縮(75%の工数削減) - 数十ページの大規模なレポート
3日以上かかっていた作業時間が半日〜1日程度に短縮(66%以上の工数削減)
※従来のフローによる作業時間は、私の記憶に基づくもので、実際に計測したわけではない点、ご容赦ください
工数削減を実現できた理由
最大の理由は、最も時間と精神力を消耗する「手作業によるデータの転記と、そのチェック作業」が完全に不要になったことです。
API経由でデータを直接取得・処理するため、ヒューマンエラーが介在する余地がありません。
これにより、担当者は単純作業やミスの心配から解放され、AIが生成した「下書き」を元に、本来最も時間をかけるべき「考察」と「戦略立案」に集中できました。
また、AIが生成した下書きコメントが既にあるため、ゼロからコメントを作成するよりもスムーズに作業を進めることができました。
2)生成AI活用によるコンテンツ制作効率化の検証
「人とAIの最適な役割分担」という思想は、レポート作成以外の業務にも応用できます。
次に、私自身のブログ運営を劇的に変えた、生成AI活用によるコンテンツ制作効率化の事例をご紹介します。
ブログの更新頻度を10倍以上に増やせた理由
従来のブログ記事作成フロー(Before)
ブログ記事を書き続ける上での最大のボトルネックは「記事を書き始めること」です。
下記のフローを見ればわかるように、テーマ出しの時点で、頑張っても月4〜8回程度、記事の骨子作成まで進めるのは月2〜3回あれば良い方でした。
- Step1メルマガやSNS、案件を通しての気づきなどからブログテーマを探す
ネタ元が限られているので、週1〜2回見つかれば良い方。更新頻度を上げる上での最大のボトルネックになっていた
- Step2思いついたブログテーマについて何を書くか、骨子を考える
ゼロから記事の構成案を作成、章立てと各章で書くことをざっくり決める。
提案・クリエイティブなど、ゼロからの文章作成が苦手な私にとって、ここが第2のボトルネック。骨子完成まで到達できる頻度は月2〜3回あれば良い方。 - Step3作成したブログ骨子に沿って、ブログ記事を作成する
- Step4タイトル・meta descriptionの検討
- Step5生成AIでOGP画像を作成
- Step6ブログ記事公開
AIアシスタント導入後のブログ記事作成フロー(After)
AIアシスタント導入後は、記事作成でのボトルネックだった「テーマ案のネタ出し」と「骨子作成」をAIが手伝ってくれるようになり、ブログ記事作成の負担が軽減されました。
ゼロからテーマや骨子を考えるよりも、既にあるタタキ台をベースに修正していく方がスムーズに作業を進めることができます。
これはブログに限らず、メルマガ文面や広告コピーにも言えることではないでしょうか。
ボトルネックだった「ネタ出し」と「骨子作成」の負担が軽減されたことと、生成AIに毎日ネタだしをさせる習慣がついたことで、結果的に、ブログ更新回数が前月の10倍以上になっていました。
- Step1生成AIアシスタントに 過去記事リスト を渡した上で、過去記事とかぶりのない、記事テーマ案をカテゴリ別に数個出してもらう(毎日)
- Step2生成AIが出してきたテーマ案の中に書けそうなものがあれば(ない場合は別案を再度出してもらう)、そのブログ記事の骨子案を生成AIに数案出してもらう
- Step3採用したブログ記事骨子を修正・リライトし、記事を書き始める
- Step4記事を書き終わったら、SEO・AIOに配慮した、タイトル・meta description案を数パターン出してもらい、リライトした上で記事に追記する
- Step5生成AIでOGP画像を作成(以前と同じ)
生成AIアシスタントにOGP生成用プロンプトを考えてもらうことも可能です
- Step6ブログ記事公開
結論
「GA4/GSC 定期レポート自動生成システム」のところでも書きましたが、何かをゼロから考えるよりもタタキ台をベースに考える方がはるかに楽です。
実際、生成AIアシスタントがブログ記事作成の最大のボトルネックだった「ネタ出し」と「骨子作成」を手伝ってくれるようになったことで、記事の更新頻度が10倍以上になったことが、そのことを証明しているのではないかと思います。
今回はブログ記事作成による検証を行いましたが、メルマガ原稿やLP原稿、広告コピー、SNS投稿文などでも同様の効果が得られるのではないかと思います。
結果的に、導入開始(2025年3月末)から2ヶ月で、Google検索でのクリック数・表示回数ともに約5倍に増やすことに成功しました(下図参照)。

3. まとめ:ポイントは、プログラム・AI・人間の役割分担
上記の記事を見ると「生成AIが万能!」のように感じられるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
例えば「GA4/GSC 定期レポート自動生成システム」の場合、
- 自動生成システムの測定期間設定は「人」にやってもらう
→自動化も可能だが、手動でも1分以内でできる作業なので費用対効果が低すぎる - APIからのデータの収集・加工・図表作成は「プログラム(Pythonスクリプト)」が担当
→生成AIにやらせることも可能だが、プログラムで対応した方が失敗リスクが低くて確実 - データ分析と分析・提案コメントの下書き作成と、レポート生成用のGASスクリプト作成は「生成AI」が担当
→このパートは生成AIにしかできないため - Googleスライドへの、レポート生成用GASスクリプトのコピペと実行は「人」にやってもらう
→Googleスライドを使わずPDF出力にすれば自動化も可能だが、手動でも1分以内にできる作業なので費用対効果が低すぎる
という風に役割分担を明確にすることで、低コストでの業務効率化を可能にしています。
それぞれの人やツールの長所をうまく組み合わせていくことが、今後も発達していく生成AIとの上手な付き合い方ではないかと思います。
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